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横浜の居留地五番館クラブホテルに滞在中、風刺漫画雑誌「トバエ」を創刊した。居留外国人向けに発行したものの、中江兆民ら日本人支援者の情報が頼りだっただけに、いつしか日本人の購読層を意識して日本語表記が目立つようになる。ために日本人有識者に与える影響は大きく、ときの明治政府はこれを「狂画新誌」と呼んで弾圧を試みることもしばしばあった。この絵の多くに、今の日本になぞらえられそうなところがある。ぜひ、ご覧あれ・・・▼
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古きよき日本を夢見て来日したビゴーは、欧風化に毒され、江戸文化をすべて葬り去ろうとする日本人に愕然とする。ときに鉄血宰相と謳われたビスマルク率いるプロシア(ドイツ)がヨーロッパに台頭していた。同じくしてプロシアの立憲君主制を採り入れようとする伊藤博文は明治政府の中核を担っていた。そしてアジアの盟主として欧米列強の脅威を取り除き、朝鮮・中国の覇権を手に入れ、世界に冠たる日本を目指すための一里塚として、幕末に結んだ不平等条約の撤廃へとこぎつける。これを目の当たりにしたビゴーは、イギリスとプロシアの間にあるフランス国民としての心情を風刺漫画の中に垣間見せている。
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