調査問答11
   民籍別又は国籍別
北海道旧土人は北海道と記入すべき義なるか所謂北海道旧土人は如何なる程度まで旧土人と認むべきや>北海道
北海道旧土人は北海道旧土人保護法に所謂北海道旧土人なり
何人が認むるも旧土人と認め得らるゝ如き者自ら旧土人に非ずと称したる場合如何に処理すべきや旧土人は戸籍上日本人たること和人と何等相違なし>北海道
不実の申告を為すべからざる旨を丁寧に説明し真実を記入せしむること
国籍を有せざる者は如何に記入すべきや>愛知県
無国籍と記入すること
支那人にして日本婦人と結婚し既に数年来内地に居住し姓名も内地人と同様なるものを通称とし何等内地人と異なる所なきものあり斯の如きものと雖帰化の許可なき限りは外国人として取扱ふべき義なるや>広島県
然り
内地婦人にして支那人と結婚し目下日本国籍離脱手続中の者が調査期日に内地に現在せる場合右婦人は離脱の許可ある迄は内地人として取扱ふべきや>広島県
日本の国籍を失はざる間は日本人なり
一人にして二ケ国籍を有するもの例えば日本婦人にして米人と結婚し己に米国籍を得たるものにして未だ日本国籍を有するものは其の米人の世帯に在ると否とを問はず総て米国人となすべきや
尚ほ外国人より日本人に帰化したるものは別に之を表示し置くの必要なきや>神奈川県
日本の国籍を失はざる間は日本人なり
帰化人は別に之を表示するの要なし
 ※歴史資料の性格上、差別的な意味を持つと思われる字句・表現を、原則としてそのまま掲載してあります。これらの字句・表現に接することで、差別の不当性、偏見やタブーが、当時(大正11年10月)から今に至ってもなくならない現実を見つめるきっかけになればと願っています。