撮影ポイント 語らいポイント 屋内ならオージーヒル
ズーラシアペインティングバス 券売機で入場券を買う 音声ガイドもある
まずはインド象とご対面 調教はタイ語でするらしい 名前は「ロビン」、性格はシャイ
園内の至る所にその土地土地にまつわる装飾やレプリカが置かれている。解説がないので意味不明
1匹だけ忙しいボウシテナガザル 植物の種類にもこだわりがある とにかくなんだか置いてある
急に蒸気が出たりする仕掛けも 上野生まれのトラはどこか優しい
採掘トンネルを抜けると世界が変わる インドライオンは希少種なんだとか おだやかな顔をするドゥクラングール
亜寒帯のゴールデンターキンは夏バテ 希少種の鳥の繁殖は、動物園にとって錬金術のようなもの
鳥小屋に入って、鳥の気分になれる。珍しい鳥が手を伸ばせるところに。ネズミとスズメも相当の数で居候していた
アムールトラは神経質。ご用心 人嫌いなカワウソ。滅多に見られない ある人の「横浜だから鴎」の一言で入園
うまそうなシャケ。でもレプリカ ペンギンが鳥だってことがわかる
ハリーポッターで有名なシロフクロウ 定時で行動するシロクマ。朝なら間近に オセアニアの石のモニュメント
幻とされて、なぜか人気のオカピ 日本の里山、実にらしくない
里山には動物の足跡が 猿山のボスは誰なんだろう。下の方では隠れて楽しむカップルも
遺跡風のアマゾンセンター休憩所 屋根ありベンチでも夏はメチャ暑い
金好きなワニ。でも石なので動かない アリクイは仲がいい、いつも2頭だ 妙に距離を置いて縮まっているメガネグマ
終わりのトンネルには大蛇が潜む ここで子供たちが急に元気になる ゲートを出るとお土産コーナー
駐車場はメチャ広い。オープンのころは「ズーラシア渋滞」といわれたほどだったが、今となっては滅多に混まない
19999(平成11)年4月オープン。「人と動物と環境にやさしい」をテーマに、一次開園面積は約29ヘクタール、将来全面開園約53ヘクタールの、国内最大級の動物園。世界の主な気候帯別に、生息環境を再現し、自然に近い状態で展示されている。愛称はズーラシア(ZOORASIA)。動物園とユーラシアの合成語。余談ながら、近隣の上野・多摩・千葉・金沢・野毛・夢見ヶ崎・万騎が原の各動物園を比較すると、都市のアオシスとして、デートスポットなら上野、家族連れなら多摩がお勧め。野毛と万騎が原は無料なので評判は上々。そういう意味では、生態系重視のズーラシアは繁殖専門といえる。つまり、もともと住んでいたというジャングルに似せているから動物が隠れていて見えにくい、例え見えても「サル山のサル」のように、親としては子供に説明しにくい光景がときとして繰り広げられる可能性が高いので気をつけたい。

【ここだけの話】ズーラシア繁殖計画こだわり情報
●インドゾウ>大人になるのは14〜15歳。妊娠は620日。寿命60歳。ポンペイ動物園から入園。雄8歳、雌7歳、雌4歳。
●オジロウチワキジ>希少種で日本では横浜のみ飼育。野毛山動物園から入園。
●カンムリシロムク>野生では12〜17羽しかいないといわれている。保護計画を世界全体ですすめている。
●カンムリセイラン>サイゴン動物園から入園。
●ボルネオオランウータン>繁殖がむずかしい。発情周期30日。妊娠260日。出産は1回に1頭のみで、育児に4年かける。出産サイクルは8〜9年に1頭で、生涯に2〜3頭しか産まない。ラグナン動物園と野毛山動物園から。若い雄・ロビンは、野毛で飼育していた夫婦の孫。最終的には、雄3頭、雌2頭になる。
●ボウシテナガザル>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。ホーホーは警告音。子は白く、大人になると雄は黒。発情周期30日。妊娠210日。最終的に雄3雌2。
●ウンピョウ>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。舌が骨化し固定されているため、咆哮できない。ネコとヒョウの特徴を併せ持っている。最終的に雄3雌3。
●マレーバク>繁殖センターで特にバク4種の繁殖を目指している。発情周期50〜80日。非常にエキサイトするので、相性がむずかしい。妊娠400日。今いる雄はクハッ、雌はキーヨという。最終的に雄3雌4。
●シシオザル>発情周期35日。妊娠165日。サンディエゴ動物園、ナスカパーク動物園、野毛山動物園から。最終的に雄2雌3。
●ダスキールトン>野毛山動物園で日本2番目の繁殖に成功した。妊娠150日。野毛山動物園とタイから。最終的に雄1雌3。
●ドゥクラングール>妊娠160日。最も美しいサルといわれている。タイ・ドゥシット動物園から。
●フランソワルトン>野毛山動物園で日本2番目の繁殖に成功した。発情周期30日。妊娠200日。葉を主食とするリフィーター。ドゥクラングール、ダスキールトン、キンシコウも同じ。このサルにだけ、牛と同じに胃が4つあり、微生物で分解する。野毛動物園から雄1雌2。ほかに雄1雌1も入園。
●インドライオン>アジアのライオン。昔は10万頭からいた。今は300頭以下。妊娠100日。マレーシアとボンベイから入園。
●ゴールデンターキン>発情期7〜9月。妊娠250日。多摩動物園から入園。気が荒く、発情期は攻撃的になる。中国では第1級保護動物になっている。
●レッサーパンダ>アライグマとジャイアントパンダの親戚といわれ、分類については、学者たち永遠の課題とさえいわれている。妊娠90〜150日。石川動物園と野毛山動物園から。
●ヨーロッパオオライチョウ>雷鳥の仲間では最大。冬でも羽の色が変わらない。日本の猛暑には耐えられないので、展示場の奥に冷房室が完備。オーストラリア・アルペン動物園から。
●パラワンコクジャク>雄は抱卵育雛にまったく参加しない。もっぱら交尾に専念。より多くの雌と交尾しようとするため、雄がキレイになっている。
野毛山動物園が最も繁殖成績良好で、多数飼育。動物交換の花形的存在。
●ユーラシアカワウソ>妊娠60日。水かきは前足半分、後ろ足は全部についている。そのため、水中でも陸上でも自由に動き回れるので、人影には敏感に反応し、滅多に姿が見られない。近縁種のニホンカワウソは、毛皮と内蔵の一部が強壮剤として、狩猟の対象になったため絶滅。ニホンオオカミと同じ幻の動物。
●アムールトラ>自分だけの縄張りをもつ単独生活者。マーキングスプレーといい、立ったまま後方にオシッコする。同じ場所ばかりにするので変色してしまうほど。顔すりや爪研ぎも同じ行為。友好都市・上海動物園から来て野毛動物園で2頭の娘を産んだ。
●オオワシ>日本へは冬鳥として渡来する。日本の天然記念物に指定されている。ハンターが放置したシカを食べ鉛害となり、希少種に。
●フンボルトペンギン>絶滅危惧種。北半球飼育のうち、70%が日本にいる。
●ミナミアフリカオットセイ>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。セイウチとアザラシの仲間。アシカ・オットセイは地上で四本足歩行するが、アザラシは前足でかきながら、はい歩きをする。妊娠340日。10〜11月に出産。雄1雌2。
●ホッキョクグマ>妊娠240日。28年前、阿蘇クマ牧場から入園。「雪子」の愛称で親しまれる。この間、2回出産したが育たなかった。雄1雌2。
●エゾユキウサギ>旭山動物園から入園。日本のウサギは4種。このほかにエゾナキウサギ、ニホンノウサギ、アマミクロウサギ。津軽海峡(ブラキストン線)が北海道と本州とで進化を変えさせたが、JR津軽海峡線の開通が、生態系や個体数に影響を与えている。
●シロフクロウ>映画・ハリーポッターで一躍人気者になった。主食はレミングというネズミの仲間のみ。そのため、レミングの数とシロフクロウの繁殖は多大に関係する。野毛山動物園から入園。
●アカカンガルー>妊娠30日。お腹の袋は保育器で、内部は体内と同じ温度、中に4つのオッパイがある。子どもは、3か月まで中で育ち、外の世界へ飛び出る。8か月は出たり入ったりを繰り返す。アデレード動物園と福岡動物園から。
●キンシコウ>中国三大珍獣の1つ。中国第一級保護動物。ほかにジャイアントパンダとゴールデンターキン。共同学術研究で中国から借入し、日本での飼育は3か所のみ。巨大な胃を持ち、腹が大きいのが特徴。妊娠200日。
●チベットモンキー>友好都市・上海動物園から野毛動物園にやってきた。日本での飼育は2か所のみ。発情周期26日。妊娠165日。
●ドール>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。アジアを代表する野生の犬。横1列になって襲いかかる習性を持つ。狩りは、一部のグループがジャングルへ逃げ込むように追い立てて、待ち伏せグループがジャングル周辺に待機、逃げ込んだところを仕留める。
●オカピ>19世紀、探検家たちの間でうわさされていたが、1901発見。1919に初めて捕獲された。コンゴ内線でイトゥリの森が荒廃。絶滅の危機にある。妊娠440日。雄はサンディエゴ動物園、雌はダラス動物園から入園。1頭に尻尾がないのは、かなり神経質なために、人間立ち会いの上で出産した際、興奮して親が尾を噛み切ったため。本来は門外不出だったが、度重なる懇請の結果、尾のないオカピならOKとなったことにより、日本初登場となった。
●コウノトリ>日本全国どこにでも見られた鳥。故に古来から吉祥を招く鳥として描かれる「鶴」はコウノトリのことだとされる。特に松の枝にとまったり、庭木や屋根に巣をつくったりする習性はコウノトリのもので鶴にはないという。今は、狩猟や農薬で生息地を奪われ絶滅寸前。野毛山動物園から。
●ハクビシン>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。妊娠2か月。雄1雌2。
●ニホンアナグマ>ミミズが主食。鼻面のすぐ真下にこないと見つけられない。冬の終わりから春に交尾。妊娠320日。
●ホンドタヌキ>狸寝入り。寝たふりや死んだふりのことと思っているが、実際は、臆病な性格のために、突然何かに驚くと、神経系に異常をきたし、仮死状態で失神してしまう。行動パターンが決まっていてタヌキ道となる。発情期1〜3月。妊娠60日。野毛山動物園から。
●ニホンツキノワグマ>凶暴と恐れられているが、決して肉食ではない。阿蘇クマ牧場と野毛山動物園から入園。
●ニホンザル>30年以上飼育されている長寿記録をもつ雌がいる。ニホンザルにはボスが存在しないため、第一位オスといい、特権はなく、群れ全体に目を配るだけの役目を負っている。発情周期28日。10〜2月に交尾。妊娠170日。4〜7月に出産する。日立市かみね動物園と野毛動物園から入園。
●オオアリクイ>野毛山動物園で日本初の繁殖に成功した。妊娠190日。母親は子どもをおんぶして育てる。前足に4本、後ろ足に5本の長い爪を持つ。
●コモンウーリーモンキー>希少種で、ここと日本モンキーセンターのみで飼育されている。オマキザル科。尻尾を手のように使うので、尾を第五の手と呼ぶ。尻尾には指紋と同じ「尾紋」がある。
●メガネグマ>希少種で、日本で3か所のみ飼育されている。肉食ではない。妊娠160〜210日。目のまわりが白色のためメガネをかけているように見えるので名がある。模様は指紋と同じ、個体識別の目安になっている。ズーラシアのメガネグマはよく見るとメガネをかけていない。これも、オカピと同様、度重なる懇請の結果、生まれたばかりの小熊の中から、模様のないモノならとOKが出て、野毛山動物園へ入園してきた。成長するにつれ、白く目のまわり一部に出たが生え揃わなかった。模様は個体差なので、そのまた子どもにはハッキリ現われると確信している。
●ヤブイヌ>希少種で、ここと名古屋市東山動物園のみで飼育されている。妊娠70日。雄3雌2。
【ここだけの話】横浜の動物園事情
 横浜の動物園は野毛・万騎が原・金沢とここズーラシア。野毛は戦災復興の博覧会の展示から引き継がれているので遊園地の性格、つまりデパート催し物場でよくやる「世界の珍獣・奇獣・猛獣展」のようなものと思って欲しい。それだけに動物虐待と思えるほど住環境がよくないと非難される。でも、動物たちとの距離感ではダントツの近さで、飼育舎が老朽化していなければ日本一の動物園だと思う。おまけに、その狭さから動物同士にも逃げ場がないため、比類を見ないほどの繁殖成功率を誇るというのだから皮肉なものだ。おかげで、金沢やズーラシアの希少動物はその動物交換によって得られたものが多い。感謝こそすれ、野毛を悪者にする動物愛護者たちのワガママには閉口してしまう。野毛動物園があったから、横浜にいて世界の希少動物たちに出会えることができ、動物好きを増やすことができた訳だから。さて、万騎が原には、家畜類のコンタクトコーナーがある。家畜だけに売買されるという価値観がつきまとい、コンタクトコーナーで動物に接する親子連れの身勝手な振る舞いには怒りを覚える。「市民の声」が正義とされる時代になり、「市民」をたしなめられるような風潮ではなくなったから職員もガマンして見て見ぬふりをする。子供や親をたしなめようものなら、「動物と人とどちらが大事なの!」と逆ギレするのだから話にならない。ハツカネズミやヒヨコなどは投げ捨てられたり、握られたり・・・とにかく受難の時代。モラルや常識、自己抑制のない「市民の声」とは聞かなければならないものなのか?金沢は、周辺住民の「猛獣反対」で、草食動物だけの、なんとも迫力のない動物園。有料だから入場者も滅多に見かけない。鳴り物入りで迎えたコアラも訪れる人がいない。開園準備中、国内で類例のないコアラ飼育を1人で任された飼育係が、その責任の重さ、市の対応の悪さを苦にして園内で自殺したことも要因の一つだ。経営的感覚からいえば動物をすべてズーラシアへ移し閉鎖すべきだろう。なんだったら、日本の固有動物のみの里山動物園として周辺にある市民の森と一体化するのが閉鎖反対を唱える人たちとの妥協点だろう。入園者誘致のためにキンシコウを無理に移したり、大金を出して使い勝手の悪いローラー滑り台を設置したものの効果はない。身銭をきることを知らない者が決めるものにろくなものはない。なぜなら「お金を出しただけの価値がある」と感じた経験がないからだ。さて、ズーラシア。交換動物で入ってきたものに、オカピやメガネグマなどがいる。その場合、売り買いする訳ではないから選ぶのは出す方の動物園が決める。そのため、いいものは手元に残し、キズものは外へやるのが暗黙のルールとなっている。今度行ったらよ〜く見て欲しい。