▲ 赤レンガ倉庫の上、ワシントンホテルのビルの右側に富士山がうっすらと見えてます。
ミナト・ヨコハマを堪能するには、山下公園からの眺めが一番。といわれていたが、大改修を終えた大さん橋の圧倒的な景観にはかなうものがないと思う。特に晴れ渡った日や夕暮れ時の赤紫色に空が染まったとき、遙かかなたに霊峰・富士の姿が垣間見える場所に立てば、みなとみらい21エリアのビルの山との対比に見とれてしまう。そこに赤レンガ倉庫の時代的な堅牢さと、海上保安庁の巡視艇のシルエットのスマートさが加味されて、肩を寄せ合ってしばらく無言でいたい気持ちになってしまうこと請け合いだ。
撮影ポイント 語らいポイント 屋内ならベイブリッジ側がgood!
まず、右のスロープから登り始めよう 障害物のようなベンチのようなもの 芝生の道を進もう。右側は行き止まり
山下公園が右後方に見渡せる ベイブリッジも目の前だ 先端では行き交う船が眺められる
振り向けばボードウォークが果てしない mm21側のスロープを降り始める mm21の眺めが素晴らしい
風もなく陽当たり良好な階段状デッキ 途中のスロープから屋内へ行こう 巨大な体育館を思わせる広い空間
折紙のように鉄板が山折り谷折りしてる 柱がない設計が最大の特徴 接地面もこんな感じでちと怖い
屋内もボードウォークで開放感あり 内側から見るとmm21が屏風絵のようだ 山下公園側はサービスがぞんざいなカフェ
旧客船ターミナル
暫定施設として建てられた客船ターミナルも「壊すには惜しい」という市民の声が多く解体されずに残っている。展望デッキ(4F入場無料)からの眺めもまんざら悪くないので、日がな一日、お年寄りの休憩スペース状態と化している。ある意味では穴場スポットといっていいが、お年寄りは結構のぞき見趣味的な傾向が強いのでそこがネックともいえる?
施設内の大部分の業務機能は移転した。そこで、今後の活用方法が問題となる訳だが暫定施設だけに多目的な間取りをしていないから実にやっかいだ。再度費用をかけるのが良策なのか、解体するべきか?とにかく壊せば維持費はかからないことになる。この横に道路ができたとき「道の駅」として使うのも奇をてらっていて面白い。
展望デッキからはグルリと一周360度のパノラマが見渡せる
「大さん橋」と書いて「おおさんばし」と読む。当用漢字表の採用以来「さん」は、かな書き。安政6(1859)年に神奈川(横浜)が開港したことから大さん橋の歴史がはじまる。貿易の要・物流の主役は、今に至っても大量輸送が可能な船舶。横浜はいつでも日本の基幹港として東京と1、2位を争う。戦後、サウスピアと称した。「人」の輸送が新幹線や航空機にシフトしても、外航客船の日本の表玄関として大さん橋は花形であり、今回の大改修では、類例を見ない設計で圧倒する施設に変貌を遂げた。柱のない構造で、広大な空間とウッドデッキや自然芝の配置には、これを想像して設計した人の発想に恐れ入るばかりだ。例えれば、洋上を走る客船のデッキを歩いているようでもあるし、小さな島の芝原に遊んでいるようでもある。それも入場無料。ただし、風雨や荒天時は注意が必要。それから、大さん橋にあるレストランやカフェは、サービスが悪く、客を客とも思わない態度で、不快になってしまうため、いい思い出を残そうという場合には避けた方が懸命だ。
県庁(旧運上所)から徐々に海へ伸びていった。その時代、その時代の歴史を物語る施設や建物も一部現存していて面白い。