まず案内板で入ろうか迷う 展望所は回転していません 厳めしそうな券売コーナー
来る人、来る人、エレベーターを降りると「懐かしい!」と声を出す。それほど、「横浜遠足」の要だったし、ロケーションも驚くほど変化したとは感じられないらしい。私としては、市の規制だったのか、ホテルニューグランドの絶妙な高さに感心するものの、関内地区に乱立する目障りな高層マンション群には、都市デザインの視点を欠いた無計画さに憤りを感じてしまう。40年も経てば、色あせたマンション群に年寄りが徘徊する、陳腐な街になってしまうのだ。いつでもどこでも「恋人=カップル」の似合う街<横浜>であり続けて欲しいと願うのは私ばかりではないと思う。
マリンタワーに訪れる前に、客船の入出港時刻をチェックして出かけよう。港の風景とともにロマンチックさが倍増するはず。
2階建ての展望台をぐるりと回ってみると、ありがちなもの、そうでないものが混在している。これも歴史のある施設の妙味だ。
マリンタワーの見学料には、北原照久氏のおもちゃコレクション「機械じかけのおもちゃ館」の見学料も含まれる。その展示もいいけど、併設のおもちゃ関連グッズ販売コーナーが面白い。それに、1階のヨコハマ・グッズコーナーにも立寄ってみよう!
マリンタワーを背景にして写真を撮ろうとしても、総体がデカイためか、山下公園の大さん橋寄りから氷川丸とともに写真におさめるようにしなければ絵にならない。デジカメウォッチングをしてみると、油絵にしてみたいような情景がかなり見受けられる。その点からも、自分たちの写真を撮る際には、小道具とポーズをあらかじめ用意してみるのも一興だ。
十角形の網目状鉄骨で、白から赤にグラデーション塗装を施された高さ106mのマリンタワーは、横浜港開港100周年記念のモニュメント&横浜港の公式灯台として、昭和36年1月にオープンした。地上高としては世界で一番高い灯台であることから、現在でもギネスブックに掲載されている。最上部の灯台室には、揺れを吸収するスーパースロッシングダンパー(早い話が水の入ったタンク)が設置され、思いのほか揺れを気にせずに展望が楽しめる。横浜のタワーというと、みなとみらい地区のランドマークタワーにその代名詞を奪われた感があり、そのためか人の気配が三々五々としているので、横浜デートの穴場のひとつにあげられる。特に夜景は絶品といってもいい。遠足というと、マリンタワーに上って、山下公園でお弁当をひろげるのがお決まりだ。今でもお得な団体パックがあって、その地位は不動のものと信じている。しかし、うわさでは、地方の修学旅行生のチェックポイント的存在になり、大人700円、高校生500円、中学生350円では生徒に敬遠され、子どもたちから小銭をせしめよう?と設置されているゲームコーナーのために引率する先生や保護者からも敬遠されつつあるという。そこで提案=「レトロビデオゲームコーナー」も「機械じかけのおもちゃ館」にならって、むかし百貨店の屋上にあったようなアナログ系ゲーム機を中心に揃えて「懐かしのゲーム館」にした方がシャレているし、できれば温泉街にあった射的やスマートボール、卓球場があると面白い。それから、横浜の観光地に顔ハメ板がないのも、きっと通りになじまないせいなのだろうし、修学旅行の1日・2日の日程では横浜を回りきれないのも事実だから、マリンタワーの円形建物を利用して壁紙に主要観光地の背景を印刷し、その背景に合った「顔ハメ写真館」を作ってはどうだろうか?なんてったって、マリンタワーは昭和30年代(60’s)なのだから、館内はラーメン博物館のようにタイムスリップしてもおかしくはないはずだ。(2004.5)