山形さくらんぼと蔵王温泉ゆったりのんびり温泉三昧の旅 28,800円
【一日目】 「温泉三昧」をキーワードに選んだ格安ツアーは、蔵王温泉とサクランボ狩りの組合せに決定。時期的に梅雨時なので天気は気にしなかったというものの、できれば晴れた方がいいに決まっている。募集では、午前7時〜8時30分東京発(集合時刻は出発の30分前)となっていて、またも出発時刻は7時20分、つまり集合時刻6時50分という微妙に早めの時間設定だ。集合場所に行ってみると、ウジャウジャと他のプランも含めたツアー客でごった返していた。しかし、添乗員の圧倒的パワーが我々を引き寄せる。ここ1週間は連続添乗詰めという足元には海外旅行を思わせるキャスターバッグがデンと置かれていたのだ。
点呼がわりに渡された座席表を持って7時20分発MAXやまびこに乗車、福島駅へ。新幹線車内ではオプション昼食の案内と集金。そのうちに福島駅着。なぜここで下車かというと、観光バスが福島のバス会社のものだからだ。一路、瑞巌寺のある仙台・松島海岸へと向う。福島県から先の東北自動車道が走りやすいというのも、格安ツアーのこころにくいところ。バス乗車時間が長いというご不満もあるだろうけど、そこが格安の秘訣なのだから・・・。車内では松島観光の手順と、自由行動の目安を手作りマップで紹介する。松島の駐車場でバスを降りると集合写真。そして、瑞巌寺門前まで行き自由行動となる。平安のはじめに開創された古刹・瑞巌寺が戦国期衰微していたものを、伊達政宗が仙台城の造営と併せ、自ら縄張りをして再建したという。本堂や庫裡などが国宝となっている。笹カマボコや土産物屋をのぞきつつ、五大堂へ。坂上田村麻呂が東征のおり、毘沙門堂を建立したのが最初とされ、瑞巌寺を開いた際、五大明王像を安置したことから五大堂と呼ばれる。すると、昼食の時間になった。カマボコ屋さんの2階で一堂に並んで食事する。1000円のオプション昼食はなかなかシャレていた。
ここから大きな観光遊覧船に乗って、松島の景観を楽しみながら塩釜港に着く。船足に併せて飛ぶカモメは、観光客の多い少ないを見分けているのか、島影を隠さんばかりに群がって滑空する。船の方でも「カモメの餌・カッパえびせん100円にて販売」を連呼する。指に挟んだえびせんを器用についばんでいくカモメと。松島よりもカモメの動きに一喜一憂している観光客には、呆れるよりも感心してしまった。
宮城の県境を越えるとすぐに松尾芭蕉の俳句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」で有名な山寺・立石寺に到着。ほとんどの人たちが山門をくぐって山頂をめざすのを尻目に、我々はチカラこんにゃくとビールで英気を養った。あとは、ブラブラと土産物店などをまわり、さくらんぼソフトクリームを食べて時間調整。
募集チラシでは「ホテル樹林」だったが、今回の宿は「つるやホテル」。格安ツアーで宿が変わることは当たり前。到着するまで、そして部屋に案内されるまで判らないミステリーなところも楽しみの一つと考えよう!その意味で、つるやホテルはなかなかいい旅館だった。食事も丁寧で見た目もよく美味しかった。この日の目玉は「山菜天ぷらの食べ放題」。みずなの葉、たらの芽、山ブドウの芽の3点盛。食べ放題といっても限りはあるけれど、衣が薄くてパリッとしてビールにピッタリだった。
【二日目】 この日は、蔵王温泉の大露天風呂などを湯めぐりする「温泉三昧プラン」と「最上川・羽黒山観光プラン」に分かれる。朝から雨。山の天気だから下界におりればもしやと期待したけれど雨だった。最上川下りは傘をさすの?と心配しながら舟着き場にいくと、増水して溢れんばかりに水をたたえている川面に、ビニールの大屋根と囲いを巡らした舟が待っていた。乗り込むと、つかみはOK!とばかりにマイクを持ったおじさんは、名所解説と民謡を山形弁と英語を交えてしゃべり出す。流れがゆるいだけにとうとうと、かつゆったりと水面をすべっていく。ビニールがかかっているために、ほとんど景色を見ることは出来なかったが、それなりに川下りが楽しめた。雨は土砂降り、ワイパーでかき上げながらバスは進む。着いたところは雨に煙る羽黒山・出羽三山神社。泥はねを気にしながら本殿へ行って帰ってくるのがやっとのこと。帰途、県境の高台でやっと雨が止んだ。早めに宿へ着いたので、蔵王温泉の温泉街を散策。夕食の目玉は「山形名物・いも煮の食べ放題」。里芋、長ネギ、牛肉がほどよく煮えて、味も旨い。おかわり3回で満腹。
【三日目】 案の定、早めに朝食が終わったので、出発が早まった。そのためか、花咲フェアのあとサクランボ狩りという予定が、先にサクランボ狩りに直行することになった。樹高が高くて採りづらいけど、脚立に上ればたわわに実った赤い実が採り放題。格安ツアーのお客さんは連帯感が強く、みんな並んでバケツリレーならぬサクランボリレー。さすが、山形は佐藤錦の故郷だけあって、甘くて美味しかった。30分の制限時間でも大満足のサクランボ狩りだった。ツアー客の買ったサクランボのお土産をバスの横腹に詰め込んで、寒河江のやまがた花咲フェアへ。正直にいえば、このフェアは時間調整だったような気がするし、主催する山形県や関係自治体に対する旅行社のノルマの消化に過ぎなかった。でも、格安ツアーだからこそ観光コースになるべくしてなったのだとも納得できる。で、季節の花々に彩られた花咲フェアを見学して、ドネル・ケバブのハンバーガーを食べて、格安ツアーにしては珍しくのんびりした時間を過してから、今度は蔵王連峰を登り詰めて「お釜」へ向う。するとお釜は雨と深い霧の中。どこへも行けない。様々なツアーバスがここでも集中し、ごった返し状態のレストランでケーキセットでお茶を濁し、ここから郡山駅へ。帰路は、郡山駅から新幹線やまびこで1時間30分かけて東京駅へ。またも、ビールと駅弁「ずうずう弁」を食べながらツアーをしめくくった。
6:50東京駅集合 駅弁で朝食
MAXやまびこで福島駅 観光バスで松島へ
まずは瑞巌寺へ 洞窟と石仏が並ぶ
法身窟とダルマ 伊達政宗甲冑像
笹カマボコ店多し 五大堂のすかし橋を渡る
仙台四郎も多数あり 笹カマボコ付の昼食
遊覧船はカモメとともに 狭い航路を進んでゆく
塩釜港で下船 山寺・立石寺へ
山寺からの眺め チカラこんにゃく娘?
道端に神様がいる 布袋様も太っ腹
土産物屋も風情あり さくらんぼソフトクリーム
宿の部屋は申し分なし 割合になめらかな温泉だ
1泊目の夕食 山菜天ぷら食べ放題
船頭さんは名調子 余裕のある船旅
船中の昼食弁当 雨の最上川はとうとうと
雨に煙る神域 出羽三山神
修験者はなく巫女だらけ 天狗盃500円
蔵王山頂は雲の中 至るところに源泉が
当然、共同浴場も点在 隙間明りがいい風情
2泊目の夕食 名物・いも煮食べ放題
鈴なりのサクランボ お土産もサクランボ
やまがた花咲フェア 蔵王お釜は霧の中
郡山駅から新幹線 16:58発やまびこで18:36着
帰りの車内は駅弁「ずうずう弁」の夕食