水交舎と呼ばれる日本海軍の下士官兵集会所が、戦後は米海軍EMクラブと名を変えて建物接収されていた。昭和58年日本に返還されるとともに、横須賀市総合文化センター構想の中で芸術劇場とホテルに生まれ変わり現在に至る。当初は大入り盛況だったから、なかなか泊る機会にも恵まれず、また客あしらいが淡泊なせいもあって「部屋は狭いし、サービスも悪い」との風評が誠しやかに耳に入ってきた。今回泊ってみると、部屋の広さが狭いのではなく、限りある建物で多くの客室数を確保するために天井高を低くしたことによる圧迫感が原因で、サービスは昔のプリンスホテルのイメージと比較したときに今のプリンスホテルにありがちな人手不足=ビジネスホテル型経営を理解していなかったことによるものとわかった。
○京浜急行「汐入駅」からすぐ
○JR「横須賀駅」から徒歩8分
 ※京急快速特急は汐入駅に停車しません
〒238-0041 神奈川県横須賀市本町3-27 TEL 046(821)1111

フロント
客  室
客  室
洗面台
浴  室
眺望(朝)
眺望(朝)
眺望(朝)

食  事
 19階マリンコートでの朝食。和洋ブッフェスタイル。コンパクトかつオーソドックスなメニューが安心できる。客席数もかなりある。
19階レストラン
ブッフェ
朝  食
 客足も疎らになったせいか、いろいろな宿泊パックもラインナップして、おまけに当日宿泊受付可能、禁煙フロアの要望にも即応できるようになった今の横須賀プリンスホテルは、スタッフの愛想もイイし、思いのほか及第点をあげられる。天井が低くても部屋は広いし、ロケーション(ただし、軍港都市・横須賀の街並み)も決して悪くないと思う。ニュースによれば、2005年3月を目途に売却されるという。万が一、地元資本か京急が経営することになると、今以上のホスピタリティは望めないに違いない。今話題の堤オーナーの頼まれればどこでもホテルを建てる戦略のツケがまわったかたちだが、コクドと西武不動産のからんだ開発が、横須賀の山々をかなり切り崩していることも事実としてあることは無関係といいきれまい。堤氏の追求がどこまで明らかになるのか、橋本派献金問題がウヤムヤになれば、西武の問題もあっけなく一件落着するのだろう。歴代首相や元首相が箱根や高輪で静養するものの、正式請求がないから滞在費を払ったことがないという風評どおりに憶測すれば単に時間の浪費に過ぎない。このホテルがシティホテルとして再生するのか、ラブホテルに転落するのか怖くもあり楽しみでもある。