<東 京>
★ 帝国ホテル http://www.imperialhotel.co.jp
 やはり帝国ホテルは、日本を代表するホテルだと思う。さまざまなホテルがあちこちにできたため、ハード面で古さこそ感じられるものの、帝国ホテルとしての格式と伝統を守り、それを誇りに思って気持ちよいサービスに努めるスタッフがいるからこそ「帝国ホテル」の右に出るホテルは今のところないように思う。特にメインダイニングの「レ・セゾン」では、日本人の口に合ったメリハリのあるフランス料理を出す。値段も手頃なコース料理や、単品でもボリュームがあってリーズナブルだ。アニバーサリーの予約をして出かけると、雰囲気を壊さないようにサービスしてくれる心使いがうれしい。日本のホテルの源流がここにあるといっていいと思う。
 ただし、フロント、ロビーの辺りは、硬軟とりまぜた待ち合わせ場所となっていて騒がしい。また、JAの旗をはためかせた一団が、肩下げカバンを胸でクロスさせた姿で、使いきりカメラのストロボをピカピカ、フィルム巻上げをガリガリいわせながら横切ったりするため、館内歩行の際は注意が必要だ。
 客室は、どこといって特徴はなく建設当時に流行った内装と色調でまとめられている。その意味では、当時としては広い客室でゆったりとくつろげる最先端のホテルだったのだろう。現在でも、他に先駆けてファクスを置いたり、インターネットの配線を施したり、ビジネスの打合せなどに使えるフリースペースの部屋を設けたり等々、時代の最先端を模索しつづけるホテルであることを伺わせる。とにもかくにも、ホテルはハード面が宿泊先を決めさせる大きな一因となっているが、それ以上に宿泊客やホテル内を行き来する人に対してどれだけのホスピタリティーを感じさせることが出来るかが勝負どころといえよう。職場旅行専門の旅館じゃあるまいし、その場限りの応接ではリピーターにはなりえない。新規の客のみをターゲットにし、リピーターを作らない旅館はどんどん淘汰・廃業している。その意味からも帝国ホテルはリピーターも大切にするサービスを今後も維持してほしいものだ。

外観

客室

眺望

レ・セゾン

テーブル

サービス

フランベ

一口前菜

前菜

スープ

魚料理

グラニテ

肉料理

デザート